竹博士と言われた上田弘一郎氏の著書「竹づくし文化考(1986発行)」には九州から東北にかけて、縄文時代の35の遺跡から51の竹カゴ類が出土しており、既にそのころタケノコは山菜として食料になっていた。という。長い長い時間をかけて、この用途にするなら何年の、いつごろ伐られたどの種類の竹がいい。人々が口から口へと伝えた経験値と、研究者が人生をかけて汗を流し地道にとり続けた知見の光が、未来をしめす力となっ...

Read more

命謳う雨

2024.8.4  竹林便り 

雨が降った灼熱の太陽がぎらぎらと照りつけて人も鳥も虫たちも空に伸ばした掌に待ちわびた雨が染み渡る雨も嵐も凪も陽も思うままにはならぬものそれでも伸ばした掌に恵みの雨は降り注ぐ

Read more

6月初旬知人の結婚式で初めて知多市を訪れました随分と早く着いたので海辺の町を少しお散歩していたらえっとこれは夢かしら…広大な竹林のほんの一角にそれは見事な空間が作られています街をみたてるそんな言葉が浮かんでくるような暖かい道でした

Read more

春一声

2024.3.31  竹林便り 

花々が目を覚ます催花雨(さいかう)が降ると油抜き作業もいよいよ忙しくなる人手も欲しいし干場も足りないな田植え支度をするおっちゃんを眺めつつせっせと竹を干す「それはマタケやろ」”そうです”「おっちゃんも昔はドンボをよう伐ったわ」”ドンボって何ですか”「ドンボ言うたらモウソウチクのことや」「えっ何?干場が足りへんのそうか…知り合いおるで今度聞いてみるわ」”すみません助かります”何とも有り難い展開に目を...

Read more

鼎談

2024.2.21  竹林便り 

初めての竹林見学ツアー無事に終わったね。R参加された皆さんが素敵でしたねMここのところ竹林の事や、ものづくりの現場の話しをする機会が多くなりましたね。Iそうそう、竹の話しをする時に「難解5」ってあるんだけれど・・・R「難解5」??Mうん。例えば竹が太る仕組みとか・・・R確かに、竹林全体がいくつかの大きなファミリーで構成されていて、ファミリーが地下で繋がって1本の木のように成長していくっていうのは不...

Read more

在豊満喜

2024.2.10  竹林便り 

コロンとこぼれたその中はさぞ心地よくもあったろな脈々と続く林の陰で揺るぎなく在る美しさ

Read more

2024.1.13  竹林便り 

2024年元日に起きた能登半島地震により被災をされて寒さと不安の中で避難生活をされています方々にお見舞い申し上げます。そしてこの震災により亡くなられた方々に心よりご冥福をお祈り申し上げます。人はただただ生きているだけでもどれほど多くの差し伸べられた手の温かさにささえられていることかを見る思いがいたします

Read more

木に杢(もく)あり竹に景色あり杢というのはこだくみ、もとは大工を表す言葉ですが日本で木の仕事に従事する人々の間において「いい杢やね」このような表現で使われる時、その意味は板に挽いた際に独特の味わい深い木目調が現れましたね。という意味です。また茶道の花入れや茶杓を作る際も、転変を生き抜いて現れたゆがみやシミを巧みに配置して自然の営みや季節の流れを「景色」にみたてて表します。これらはいずれもかなり独特...

Read more

遠い昔の原始の森で石器を操る人々はこぼれ落ちた木の実や枝で火をおこし糧とし雨や嵐の最中には陽が戻るのを待つすがら遊びや工夫もしただろう風で倒れた大きな木竹が海に浮かぶのを見でもして舟を作ってみようかと夢見た男もいたかもしれないそもそも細いワラ一本渡り鳥が運んで落としても生きる熱意の一徹あれば文化の始まりの種となる

Read more

窓を開けて

2020.6.24  竹林便り 

五月晴れ窓を開けて風が吹く水辺に遊ぶカワセミもサナギを脱いだオニヤンマも新たな初夏のいのちの始まり

Read more