変異

2024.12.28  竹林便り 

せわしない年の瀬に静かに見つめたテイカカズラ生きるとは元来試みの連続で天から正解のレールなど落ちてはこない無駄な試みはないかもしれないが枯れていく試み育ちゆく試みはきっとある試みるとは時に勝負の場に立つということ

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仕える事

2024.12.8  竹林便り 

竹林の中に竹以外の落ち葉や木が生えているのはおかしいそう言われたことがある「可笑しい」①笑いたくなるような面白さがある②普通ではなく奇異な感じがする③つじつまが合わない筋が通らない④興味深い面白い⑤風情がある情趣がある⑥美しく魅力的だ⑦優れている立派だ無数の理が複雑に嚙み合って営みとなる土壌を育む守人の仕事は絶え間なく静かに続いていく伐り子というこの仕事は美しさを問う仕事

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秋 談笑

2024.11.20  竹林便り 

おはようございますIさん淀川の黒竹こんなに太くなりましたよ1年前は細くて企画に使えなかったのに驚きですRこれは何に使いますかIカゴでも編もうかなとここの黒竹林もう直ぐ抜根されるらしいので良いものを選んで伐ってきましたR抜根って地下茎から抜き取ってしまうってことIはい実はここの竹林は3年前にも全て抜根してるんですよそれが3年でほぼ元通りに再生したんですRそれは根が取り切れてなかったのかしらIはい不思...

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竹林の中で仕事をしながらこれってどういう事なんだろう?思う度ひとしきり考えて頭の中の「考察の棚」にそっと置いておくそして時折引っ張り出して再び考える難解な疑問ほど慌てずに機を待つそのうちに同じ疑問を持つ人が現れたり流れの変化が起きて一筋の光が見えてくる

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原点

2024.10.6  竹林便り 

ふと気が付けば京都で伐り子を始めて20年目になるなぜ伐り子に?と尋ねられる度竹に携わる生業が数多くある中で伐り子の席だけ見事に空席だったからと答えてきたそうは言っても当時は迷いもあり1年半ほど竹について本で調べている中こんな文章に目を止めた昭和21年、中国地方○○株式会社によって日産15トンの規模で竹による製紙工場が建てられた。良質の紙ができたが、原料の竹が思うように集まらず、規模の小さいことなど...

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音色

2024.9.23  竹林便り 

夜空に月が輝く季節今年のマタケの伐竹が終わりました伐竹を終える度、その年の仕事を振り返り伐竹の日に向けて何をどう支度すると良いか伐る竹の印付けはもちろん、道具を揃えて竹置き場の整え方、伐り子の道づくり今年はそのすべてを万全でスタートしたこともあり仕事を終えた竹林には何とも落ち着く美しさがありますさわさわと風に鳴る笹の音静寂の中に耳を澄ませばかすかに聞こえる命の音色

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竹博士と言われた上田弘一郎氏の著書「竹づくし文化考(1986発行)」には九州から東北にかけて、縄文時代の35の遺跡から51の竹カゴ類が出土しており、既にそのころタケノコは山菜として食料になっていた。という。長い長い時間をかけて、この用途にするなら何年の、いつごろ伐られたどの種類の竹がいい。人々が口から口へと伝えた経験値と、研究者が人生をかけて汗を流し地道にとり続けた知見の光が、未来をしめす力となっ...

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命謳う雨

2024.8.4  竹林便り 

雨が降った灼熱の太陽がぎらぎらと照りつけて人も鳥も虫たちも空に伸ばした掌に待ちわびた雨が染み渡る雨も嵐も凪も陽も思うままにはならぬものそれでも伸ばした掌に恵みの雨は降り注ぐ

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6月初旬知人の結婚式で初めて知多市を訪れました随分と早く着いたので海辺の町を少しお散歩していたらえっとこれは夢かしら…広大な竹林のほんの一角にそれは見事な空間が作られています街をみたてるそんな言葉が浮かんでくるような暖かい道でした

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