About bamboo竹について
良質な竹が育つ
豊かな自然環境について
山に囲まれた京都は寒暖の差が激しく肉厚で良い竹が育つといわれています。高野竹工の工房は、良質の竹の産地として知られる京都府長岡京市にあり、実際に自分たちで竹林に入って整備を行います。
環境的な取組について
美しく丈夫な竹になるまで
生育四年から五年の竹を水分の減る秋から晩秋にかけて伐採し、その後二ヶ月から三か月かけて自然乾燥させ、熱を加えて油分と水分を抜き、天日に晒して艶を出し、黴などが生えないように気を付けてさらに数年間寝かせて乾燥します。
こうした長い工程を経て、見た目の美しさのみならず丈夫でしなやかな材料となった竹は工房へと運ばれ、職人の手で丹精を込めて製品へと仕上げられます。
竹林整備・竹材管理
竹林整備・管理の仕事は、その扱いによって竹の質をも左右する大事な仕事です。
常日頃から保管している竹の状況を把握し、製造や営業と連携して、製作するものに合わせて材料を倉庫から供給。
また、数年後を見越して竹林から竹を伐り出す重要な任務を担っています。
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伐竹
竹の幹が水分の吸い上げをしなくなる9月から11月ごろまで青竹を伐採します。
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枝打ち
運び出す前に伐った竹の枝を払います。
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竹の運び
竹林の足場も様々。3~4mぐらいに切った竹は20㎏~40㎏あります。竹林の中で伐った場所から竹を引き出すのも大変な作業です。バランスを取りながら、竹を傷つけない様に注意して運びだします。
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油抜き
加工する為にはしっかり水分を抜き乾燥させることが肝心。
まずは表面の油分を火であぶって丁寧に拭き取ります。
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保管
油抜き・天日干しを経て青かった竹も白くなり、倉庫で数年しっかりと乾燥させます。
その間虫が付かないよう気を配ります。
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こなし
製作の最初のステップ。
長い竹を製作目的に合わせてあら切りしていきます。
分布
竹は気候が温暖で湿潤な地域に分布し、アジアの温暖、熱帯地域に多いですが、北アフリカ、ヨーロッパ、北アメリカの大部分を除いて成育しており、世界で1200種(日本にはそのうち600種)があると言われています。
成分
竹を構成する元素の単位でみると、最も多く含まれるのが炭素で、およそ50%を占めています。その他43.4%が酸素、5.6%が水素であり、残り1%程度が窒素やミネラル類です。
竹の今
竹の栽培面積は1970年の約15万haをピークに、以降、減少気味で、50年代の3分の1以下になっています。需要の減少の原因としては、プラスチック製品の登場の他、戦後の高度成長による生活環境の変化が大きいといわれています。
竹と日本人
日本での竹の利用の起源を知るには、縄文時代の遺跡からの発掘品があります。
この当時は主に建築用材としての利用でありましたが、室町、桃山時代になると、その用途を一気に増やし、又、素材としての「竹の位」を一気に引き上げました。その理由の一つとして「茶道」の影響が大きいといわれています。茶道具以外の用途としては、照明器具などのインテリア、小物、和傘、団扇、和竿などが作られていきましたが、これは同時に、海外における日本の竹工芸の高評価にもつながっていきました。
他の用途とその理由
- 建築用材・造園材として
- 軽く、節を持つために折れにくく、又、きわめて強固で持久力があるため。
- 伝統的竹楽器として
(能、歌舞伎、雅楽)
- 空洞の構造をもっているため。
- 民俗行事として
- 竹の強い生命力に深い精神性を感じるため。
- 食用として
- 生活習慣病予防、美肌効果、むくみ解消のため。
- 竹紙として
- 軸方向に平行に維管束が連なるため、繊維方向の強度が高く、寸法変化しにくいため。
- エコロジー商品として
(竹炭、竹酢液)
- スキンケア、殺虫、殺菌、防菌、消臭、虫獣忌避、土壌改良などの用途のため。
竹のこれから
竹はその美しさだけでなく、とても強度が優れています。
強度テストによると通常の無垢木材に比べた場合、約1.5~2倍の強度を持っています。
又、3~5年で成木として利用できる、発火点が高く、意外と火事にもなりにくい点など素材としての可能性は高いと考えられます。その中で現代にマッチする商品つくりが求められています。