
春だ春だと 気は逸るものの ようやく5月の孟宗林を訪れると
一番手のタケノコは すでに竹へと生長を始めています
ビロードのような竹皮に 太陽の光がきらきらとかがやいています
(何の施肥もしていないのに よくこんなにたくさん育つものだな・・・)
西山の竹も黄色に染まり これからは美しい笹の落葉の季節が始まります。
Rさんが出生記録を取っている竹林では 成り年と裏年が交互に繰り返していますが
はたしてタケノコ栽培農家の竹林では 昨年は少なかったから今年は豊作 となってしまうのでしょうか
しかし この竹林のお隣の 超ベテランタケノコ農家のご主人は 太陽のような眩しい笑顔で言うのです 「成り年も裏年もないわ」
御年90歳を超えていらっしゃる 玄人の確信のお言葉です
ほのかに甘く香りよい「京たけのこ」 その作業過程のどこかに収穫量を一定にする秘密があるのでしょうか
施肥 芯止め 間引き 土入れ 一連の作業の中でRさんが注目しているのは 「間引き」という作業
梅やミカンなどの果樹栽培でも 果実の形を整え 樹木への負担を軽くするために行う「摘花(てきか)」・「摘果(てきか)」・「剪定(せんてい)」という作業があります
しかしながら 古の方々のその鋭い慧眼には ただただ唸るばかり
(つづく・・・)