【Shop&Gallery竹生園】高野竹工「暮らしの道具展」

2024.7.25  お知らせ, 竹生園 

 長岡京に拠点を置く高野竹工では、職人達がそれぞれの技術を駆使して、日々さまざまなモノづくりをしています。
 はるか昔から、人は自然から材をいただいて、日々の暮らしをより良いものにする為、素材と向き合い創意工夫をこらして、たくさんの暮らしの道具を生み出してきました。

   今展では、素材の管理から加工まで、一貫したものづくりを行う高野竹工の職人だからこそ生まれた“暮らしの道具”をご紹介いたします。会期は9月30日まで、長岡天満宮に隣接するshop & gallery 竹生園で開催します。
 皆様のお越しをお待ちしております。
 
 

職人の個人作品の紹介
 

1. 「両づかいできる菓子切り」- 羽根菓子切り

普段から煤竹楊枝を製作している職人は、“右利き左利き両方使える”菓子切りができないかと試行錯誤をしてきました。沢山の試作の果てに、今回2種類の菓子切りを製作しました。
とんぼの羽のような形に丁寧に削り上げ、 指が触れ、力の入る上面に竹の皮を残しました。 素材は竹材として用途の少ない“株元”を活かしました。 右利きの方も左利きの方も使いやすいことはもちろん、 その美しい佇まいに息をのみます。 お茶会なんかにも懐紙と一緒に持ち歩きたいと思います。
 
 

2. 「両づかいできる菓子切り」- さんかく菓子切り

糸とんぼのように細く美しく仕上げました。
指が触れ、力のかかる上面は竹の表皮を残しています。左利きでも右利きでも使えるように、全体を三角形に削り上げているのが特徴です。素材は竹材として用途の少ない“株元”を活かしました。すっきりした見た目ながら株元ならではの景色(天然のシミ)が味わい深い風合いで、凛と存在感のある佇まいです。果物を食べる時にもお使いいただけます。
 
 

3. 「デザートスプーンとデザートフォーク」

編組の職人が製作したカトラリー。1番こだわった点は、机などに置いた時に口に触れる部分が下に付かないということ。制約のある細い竹材をうまく活かし、美しさの中に機能性もしっかりと落とし込み、摺漆で仕上げました。
匙の部分は薄く仕上げているので口当たりもすっきりと心地が良いです。
18センチほどあるので深めのグラスにもお使いいただけます。パフェスプーンにもぴったり。
 
 

4. 「スプーンとフォーク」

竹花入の職人が製作したカトラリー。口当たりの良さとデザインにこだわった一品。
手削りで繊細に削り出し、仕上げは竹の風合いを活かしてオイル仕上げです。普段、小刀で花入を製作する職人の技が光ります。
薄く仕上げているので、とろりとしたリゾットやパスタ、スプーンとフォークでわしわしとサラダボウルに、日常の中でさまざまな使い方が思い浮かびます。
 
 

5. 「アイスクリームスプーン」

ふだん、丸竹(花入やカップ、カトラリーなど)と呼ばれる製品に携る職人が製作しました。
昔からカップアイスに付いてくるあの木のヘラのようなアイスクリームスプーン、職人はあのスプーンの手におさまる安心感がとても好きだったそうです。そこからヒントを得て、より良いものに。図面竹を使って削り出しました。
見た目のかわいさはもちろん、手におさまる小さなサイズですが、ひとつひとつ丁寧に曲げて形を整えています。ちょうどひと口、アイスクリームがすくえるスプーン。口当たりもやわらかでついつい使いたくなります。小さいお子さまにも使いやすいサイズです。
 
 

6. 「竹のおたま」

竹は木と多々違いがありますが、中でも大きく違うのは「幹が空洞の筒状で、節がある」こと。
その形状から、木材に比べると使い方に制約があります。
しかし、節と空洞があるおかげで自ずから“容器”としての条件を備えた素材でもあります。
その竹の形状を最大限に活かして、“竹のおたま”と“おたま置き”を製作しました。
やさしい質感で、これでお豆腐を掬えばお豆腐を崩したりすることはないだろうなぁ…と思います。
湯豆腐をしたくなりました。
 
 

6. 竹筒と羽根菓子切り「竹筒」

九分の竹から作られる茶杓筒から着想を得て、菓子切りを入れる筒として制作しました。丁寧に皮をむいて仕上げた美しい竹筒から菓子切りを出す所作が、また優雅で美しいです。
野点でお茶を楽しむときや、ご自宅でもさまざまな場面でお使いいただけます。