
高野竹工が取り組むアニュラスプロジェクトからイベントのお知らせです。
昨年の新潟燕・長岡京に続く交流イベント第三弾は、信州松本で開催いたします。
文化のまち・松本市にて、工藝と素材・土地の文化に触れ、
五感で愉しむ交流会を開催します。
今回焦点をあてるのは、利休にも見出された木曽の「板へぎ」の美と技術。
職人による実演や、喫茶会での体験、知的な交流を目指した鼎談など、
きっと豊かな時間を過ごせますよ。
ストーリーをNFTという形で表現した工藝品の展示販売のほか、
アニュラスらしい、とっておきのノベルティもご用意しています。
現地でも、オンラインでもぜひご参加ください。
日程:2/19(日) 鼎談・実演・喫茶会・展示販売
時間:鼎談13:00〜 喫茶席14:30〜16:30
会場:全久院(長野県松本市深志3丁目7−50)
会費:3,800円(現地参加 喫茶席付)1,500円(オンライン 鼎談のみ)
*ご予約優先(こちらよりお申し込みください)
<プログラム>
●13:30〜14:30 鼎談(トークイベント)
信州の地へと里帰りすることとなる、待庵の古材を用いた工藝品をご覧いただきながら、
待庵での修復課程や、素材の生まれた木曽谷の森及び周辺の木工技術などの歴史をご紹介し、
古材の背景にあるストーリーをお伝えします。
また、ものづくりに携わる職人やデザイナーの目線からの楽しみ方や、
モノから読み解く信州の地に繋がれてきた文化についても、
登壇者との対話から話題を深めて参ります。
〈登壇者〉
丸嘉小坂屋漆器店 代表 小坂玲央氏
工藝デザイナー YANOBI 代表 井出八州氏
全久院 住職 倉科利行氏
高野竹工株式会社 取締役 西田隼人
●14:30〜 「板へぎ」実演
待庵の屋根の素材にも使用された「へぎ板」を、
実際に製作いただき、その技をご覧いただきます。
〈実演〉
丸嘉小坂屋漆器店 代表 小坂玲央氏
●14:30〜16:30 古材道具を作り手と楽しむ 喫茶の集い
古材を用いた工藝品による様々な喫茶の席をご用意、
工藝品を身近に感じる豊かなお茶のひと時をお愉しみいただきます。
また、お手持ちのお茶碗やコーヒーカップ、お茶入など、
ご自慢の逸品をお持ちいただけましたら会場内の小物との組み合わせを愉しんでいただきながら一服していただくことも可能です。
〈喫茶席 *予定〉
・白湯と漬物席(全久院住職・YANOBI 提供)
・中国茶席(高野竹工 提供)
・珈琲席(鍛工舎 提供)
・香りを飲む席(草譯(くさわけ) 提供)
*お手持ちの工芸品をお持ちいただいた方には、ささやかな記念品をお渡しいたします。
*会場内に展示されている工芸品の一部にはNFTが添付されており、素材や製作者などの由来、所有権等のデジタル証明となります。また、一服茶会の参加者にも参加の証となるNFTをお配りいたします。今後のNFTの販売での利益の一部は、社寺や製作者へと還元されます。
<開催意図>
木曽谷は古くから良質な木の産地として知られ、大阪城や伊勢神宮の材にもなっていました。
また、豊富な天然資源を背景に、周辺地域では木工技術が民衆の間で発達し、
木曽漆や曲げわっぱ、松本家具などの工藝が育まれてきました。
針葉樹を薄く断ち割る「板へぎ」も、木曽で育まれた木工技術であり、
現在も社寺の屋根や床間天井の網代などに用いられ、
千利休が作ったと言われる草庵茶室・待庵(国宝)の修復時屋根材にも
木曽のへぎ板が使われています。
信州の自然と民衆の技が生み出した、へぎ板の詫びた風情や素朴さは、
千利休も魅了したのでしょう。
この交流会では、待庵の修復時に生じた古材を、茶道具をはじめとした工藝品へと蘇らせ、
実際に手にして楽しんでいただく喫茶の集いを、素材の生まれた地でもある
信州にて開催いたします。
木曽・松本の木の文化と侘び茶との関わりについての鼎談や、
「板へぎ」の実演等も併せて行い、工藝の魅力とそのストーリーを
体感いただくひと時をご提案いたします。