薫風の書

2025.5.18  竹林便り 

多くの竹の節は稈鞘(竹の皮)付着帯と生長帯とは区別が外観上容易で、これを節の2輪状と呼ぶ。モウソウチクだけはこの2つのうち生長帯が極めて短く(竹皮の)付着帯のみが明らかであるので1輪状となる。しかし、モウソウチクにおいても稈の細い径3~4㎝までのものや、枝などではマダケなどと同様に2輪状になる。ー26項ー

稈の高さは竹類の種類、太さ、立地条件などによって異なる。すなわち、太いものほど高く、節間の長いもの、すなわち、日陰地の多湿な条件の所に生じた竹類ほど高い。また、同じ条件なら稈の密生しているほど高い。ー32項ー

竹稈の最下枝から土際までの長さを枝下高といい、この長いものほど利用面が広い。竹ではここから上もさほど細くはならないがスギ、ヒノキなどの材では急激に細くなる。枝下高は稈の粗密、株の張り方、藪の肥瘠(ひせき)※肥え地か瘦せ地か、などで異なる。枝下高の高い条件は稈が密生し、株張りの悪い土地か、肥えている時で、反対の場合には低い。枝下の高さと竹稈全体の比の比較表からいえることは太さが増すにつれて枝下高が高くなる。ー33項ー

 「有用竹類図説(特に形態及び利用)-室井 綽著(1962)-株式会社 六月社」

先人の方々の素晴らしい観察眼!