花々が目を覚ます催花雨(さいかう)が降ると
油抜き作業もいよいよ忙しくなる
人手も欲しいし干場も足りないな
田植え支度をするおっちゃんを眺めつつ
せっせと竹を干す
「それはマタケやろ」
”そうです”
「おっちゃんも昔はドンボをよう伐ったわ」
”ドンボって何ですか”
「ドンボ言うたらモウソウチクのことや」
「えっ何?干場が足りへんの そうか…知り合いおるで今度聞いてみるわ」
”すみません 助かります”
何とも有り難い展開に目を回しながら
高い空に春一声
”おっちゃん ありがとうー!”