‘開発 淑’ カテゴリーのアーカイブ

利休作一重切 音曲

2011年6月24日 金曜日

先週末、三重の新・石水博物館に行ってきました。

 

「東の魯山人、西の半泥子」と称された川喜田半泥子の作品を収めた石水博物館は、先月10日郊外の千歳山に移転オープンしたばかり。現在、開館記念の「所蔵名品展 ─川喜田家歴代コレクションと半泥子の芸術─」が開催されています。

 

 

目的は川喜田家歴代コレクション、『竹一重切花入 銘「音曲」伝千利休作』です。
竹の根元に近い部分を持ちいた三節の一重切で、内側には細かな筆致により亀と波の蒔絵があしらわれた重厚な花入でした。

 

この音曲、個人的に最も見てみたかった利休花入です。
東京国立博物館蔵の一重切『園城寺』などは様々な資料に掲載されていますが、音曲は現代の美術書や茶道具集に収録された事が殆どないのでは。
「茶話指月集」や「茶湯古事談」といった、江戸時代に書かれた古い書物に名前が出てくるくらい名高い品なのですが…。


此ノ筒韮山竹小田原帰陣ノ時千少庵ヘ土産也、筒ノ裏ニ園城寺少庵ト書付有リ、名判無シ、又此ノ同竹ニテ先ツ尺八ヲ剪、太閤ヘ献ス、其ノ次音曲、已上三本何レモ竹筒ノ名物ナリ、音曲ニ利休狂歌アリ其文今京ノ人所持ス

『茶話指月集』久須見疎安(1701)

 

これによれば、一重切園城寺・尺八と一緒に作られたのは音曲、という事になります。
竹花入の始まりは、天正18年(1590)豊臣秀吉の小田原攻めに同行した利休が伊豆韮山の竹を用いて作った一重切園城寺・尺八・二重切夜長とするのが通説です。それ以前から作られていたという説もありますが、韮山花筒といえばこの三本。 
…あれ、音曲はどこに?

 

また、音曲について言及した数少ない本、「千利休居士名宝図録」には次のような記述があります。

利休の侘び好みを象徴する花入れは、なんといっても、竹筒と籠であろう。竹筒には、手桶、尺八、一重切、二重切の四形式がある。…中略…尺八以下は、利休が小田原陣中に伊豆の韮山の竹を切って作ったと伝えられるもので、尺八は尺八形、一重切は上部に窓が一つある。銘園城寺の花筒は、一重切の実例で、織部宛利休自筆武蔵鐙の文と共に、雲州松平家に伝わり、目下、東京国立博物館の所蔵に帰している。また、銘音曲の花筒も、一重切で、織部宛利休自筆文と共に、三重県の川喜田家に伝わっている。二重切は、上部に窓が二つあるもので、銘を夜長というのが、大阪の藤田家に伝わった。

千利休居士 名宝図録(1973)

 

音曲・夜長、共に名前が挙げられてます。さり気に韮山竹花入が4本に。
 

 
なんだか立ち位置が謎な音曲ですが、展示品の入れ替えがあるため今回は6月26日までの公開となります。
半泥子の自由闊達な作風の茶碗も大変見応えがありますし、お近くの方はこの機会に是非どうぞ。
 

 

新商品 寄せ竹野菜箸置き

2011年5月2日 月曜日

新しい箸置きが出来ました。

ピーマン・オクラ・カボチャ・タケノコの4種野菜です。

 

 

レンコンとお揃いのスライス断面デザイン。

デザインと強度のバランスを調整しつつ試作品を何通りか作りましたが、

カボチャはなかなか形が決まりませんでした。
 

実際にはカボチャって、空洞が左右に分かれてません。

中心部に柔らかいワタと種がもにゃもにゃっと詰まってるだけなのです。

 
 

カボチャ箸置きの変遷。

①リアリズムを追求し、ワタを取り除いた一つ穴。

他の野菜に比べて単純すぎると指摘されました。

 
 
②下側にワタを付けてみた。

なんだか口角が下がってるようです。不満気。

 
 
③ならば上側にワタを付けてみた。

もはや口にしか見えません。

 
 
④いっそ目も入れてみる。

やりすぎました。スミマセン。

──そんなこんなで2つ穴型に落ち着いた次第です。

 
 
オマケ。

ハロウィンのジャックランタン。

秋になったら販売しないこともないこともないかもしれません。
 

野菜箸置きのご注文は、こちらからどうぞ。

5個セットはシックな箱入りで、贈り物にもお勧めです。
 

季節限定 竹のしおり

2010年12月7日 火曜日

高野竹工のホームページをご覧いただき有難うございます。
今更ながらはじめまして。開発の淑と申します。
製造1課nzkと同期の、竹工芸を始めて7年会社で5年目……ではなく竹工芸を始めて8年、会社で6年目のような。
まあヨシ、大体ヨシ。
元々竹工芸を学んでいたのですが、会社では何故か設計などを担当しています。

さてさて。
当社の人気商品『竹しおり』も誕生から5年を迎え、この度初めて期間限定の柄を製作してみました。
クリスマス柄とお正月柄、それぞれ2種類ずつあります。


クリスマス柄は、プレゼント大盤振る舞いサンタとシンプルな雪景色。
お正月柄は、来年の干支であるウサギ、そして縁起物の一富士二鷹三茄子です。

一富士二鷹三茄子、当初は赤富士を遠景に松の枝上で翼を広げた鷹、その足元に茄子という、荒々しくもオーソドックスに描いた(つもりだった)のですが、社内での評価は銭湯の壁もしくは掛け軸
…確かに。
そんなこんなんでアッサリ系デザインになった次第です。

正月柄裏面
ちなみに裏面の謎の言葉は、室町時代から伝わるという由緒ある?まじないですよ。
正月2日の夜、この和歌を3回唱え、枕の下に宝舟の絵を入れて眠ると素敵な夢が見れるかもしれません。
といっても竹しおりを枕の下に入れて寝たら、頭の重みで変形してしまう可能性が…。お手数ですが紙にでも宝舟の絵を描いてお使い下さい。

長き夜の遠の眠りの皆目覚め波乗り船の音のよき哉

上から読んだら
なかきよの とおのねふりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな
下から読んでも
なかきよの とおのねふりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな

こんなに長いのに回文になっています。すごい!

ところで回文というと、皇太子殿下が婚約された頃の新聞に掲載されていた「小和田雅子様だ、ワオ! 下から読んでも、おわだまさこさまだわお。」という投稿が未だに思いだされます。そろそろ忘れてもいい頃だと思います。