心を込めて

2017.12.9

 

2017年2月 旧家より煤竹が出てきた との報を受けて

 

雪深い宮津へ トラックで引き取りにお伺いしました

 

この1年間 少しづつ使えそうなものを選び 洗っては油抜きをして

 

何とか4割ほどは製品にできそうな 美しい光沢の煤竹の材料が集まりました

 

囲炉裏の使用頻度がとても高かったのか 1割ほどですが

 

固く身が締り 割れがなく虫食い跡もない 良質な材がありました

 

Rさんのチェックはここまでですが 後には この道40年の職人Sさんの仕事の中で

 

それは細かい検品を受けて 品物となっていきます

 

囲炉裏文化の副産物である煤竹ですが 材料加工工程で感じたことは

 

ただただ 旧家のご主人の保管状態が完ぺきだったなということです

 

納屋の中で風雨や日差しから材を守るよう 丁寧な保管がされており

 

乾燥による割れが かつてなく少なかったのです おまけに

 

ご自宅までの手書きの地図の あまりの丁寧さには 有難くまた頭の下がる思いがしました

 

暮らしがひとの手で紡がれていて 何をやるにも時間のかかった時代の

 

その生活の1コマには 人々の5感を通した知恵や工夫が豊かに込められていたのかもしれない

 

美しく仕上がっていく煤竹を見ながら その時代の人々に 思いを馳せる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2017.11.30

 

駆け足で急ぐサラリーマンにも 自転車に乗って笑う母子にも

 

静かな時間を ただ やり過ごす時の方にも

 

やり切ったね やり切ったよ と

 

静かに やさしくささやきながら 散っていく

 

 

To a business man rushing,

 

mother and child laughing on a bicycle

 

or to those who spend time calmly,

 

leaves whisper gently

 

We made it. Yes, we did it…

 

as they fall to the ground.

 

 

(translated by c.n.)

力を合わせて

2017.11.8

 

山が秋色に染まり始めた 11月7日

 

今年加わってくれた若者2人と 台風による整理伐竹250本を予定通り3日で終えて

 

チーム3での今年の伐竹を 無事に終えることができました

 

10年以上1人で竹を伐って来たので とにかく全12日間を安全に終えることが最大の目標でしたが

 

無事に終えてさらに第2目標の1400本積み上げまでが 最終日16時15分に終了して

 

始めて鉈を持ったとは思えないお2人の仕事ぶりに 頼もしくまた気持ち良く進めることのできたシーズンでした

 

独走型のRさんですが 根気良く続いて下さった若者たちに ただただ感謝します

 

来年もよろしくお願いします

 

 

On the 7th November when mountains start to take colors of fall,

I finished cutting bamboo for this year with two young craftsmen.

Besides cutting 250 bamboo damaged by typhoon in 3 days,

we have cut in total 1400 bamboo until 16:15 of the last day.

I do this job alone more than 10 years and it was my biggest goal

that we could finish working without any accident throughout 12 days for this cutting work.

Thanks to the hard work by reliable fellow who used machete for the first time,

we could work so smoothly and securely.

I really appreciate their patience and hope they would join me again next year.

 

(translated by c.n)

 

台風21号

2017.10.28

 

新たにお二人の若手が加わり 10月18日に1000本の伐竹を おおかた終えて

 

打ち付ける雨音を聞きながら ホッとくつろぐ週末もつかの間

 

超大型台風21号が過ぎた10月23日(月)は 朝から台風後の片付けに駆け回る1日でした

 

 

継続して管理をしてきた竹林が 一晩の風でこの姿です

 

竹は地下に生命線があるため 今後の竹林育成への影響はそれほど心配ではないのですが

 

あちこちで同じような惨状が見られるため 片付けには時間がかかるかもしれません

 

近畿や中国地方では瞬間風速が40メートルを超え 甚大な被害が発生しました

 

被災され避難生活をされている中にはご高齢の方も多くおられます

 

心よりお見舞い申し上げます。

 

 

 

虫の声

2017.10.9

鈴虫やコオロギの声が 耳にやさしく響く 秋の仕事帰り

 

カブで風を切るRさんに パシンッと 何かがくっついてきました

 

何だろう?

 

帰宅して ヘルメットを脱ぐと

 

 

 

・・・ よく捕まってたな

 

あっ ・・・目が合いました

 

秋の夕暮れツーリングが楽しかったのか とてもくつろいだ様子です

 

今年はアサギマダラや 竹林の中を優雅に飛ぶクロアゲハたちが

 

夏の最中に 心を癒してくれました

 

過酷な自然に生きる者たちの 心和ませる 不思議な力

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

光合成の力

2017.9.24

 

彼岸花やクズの赤紫色の花が野を彩り 雲がすっかり秋になった秋分の日

 

晴天日の15時ごろ 伐った竹からぽとぽとと滴が落ちていることに気づきました

 

手の甲に付けてなめてみるとやはり とんでもなく甘い

 

この竹の滴 決まって晴天の日の15時ごろ溢れて落ちて 甘いのです

 

竹は維管束植物ですから 根から吸い上げた水分や養分を運ぶ道管と 光合成で作った養分を運ぶ師管とがあります

 

(甘いってことは 笹の方から師管の中を落ちてきた養分ってことかな…)

 

光合成とは簡単に言うと 光エネルギーを使って水と二酸化炭素から炭水化物(糖類)を合成し酸素を出す反応とその仕組みのこと

 

しかしこの甘さは シロップになりそうです

 

竹の生命力の源は 太陽光とこの光合成にあるのかも…

 

In the Autumnal Equinox Day,

when red-violet color of spider lilies or flowers of Pueraria montana paint the field

under the sky with autumnal clouds, I found some dews dropping from bamboo that I had cut.

It was around 3pm.

I catched it by back of my hands and tasted… it’s so sweet!

 

Dews are always dropping from bamboo, around 3pm in the sunny day.

As bamboo is a vascular plant, it has xylem which transports water and nutrients from root,

and phloem which transports nutrients generated by photosynthesis.

 

“As it is sweet, it may be some nutrients dropping down through the phloem…”

 

Photosynthesis means, in brief, a reaction and mechanism to synthesize carbohydrate

in generating oxygen, from water and CO2 using light energy.

 

Anyway, this sweetness would be nice to make syrup.

The source of bamboo’s vitality may be made from the sunlight and this photosynthesis.

 

(translated by c.n.)

 

 

 

 

 

問い続ける

2017.9.7

 

 

『今年は秋が少し早く来ましたね』 蒔絵職人Eさんの言う通り

 

8月30日から吹く気持ち良い風にふと辺りを見回すと 竹林の入り口にはヤブランの花の紫色

 

お月様も日ごとに輝きを増していくように見えます

 

会社の屋上では 今年伐った孟宗竹が白竹へと仕上がり始めています

 

8年目となる孟宗竹の油抜き 今年は新たな気付きがありました

 

上の写真は不鮮明で分かりづらいのですが 真ん中の3本を観察すると

 

右側の1本に細かな黒いシミが出てしまっています

 

左の2本はきれいな白竹色をしています 両者の違いは樹齢(竹齢?)なのですが

 

では竹の年齢はどこで見極めるのか

 

木のように太さと年齢は関係ありませんし 年輪もありません

 

実はRさんは 林内の竹全てにマジックで年齢を書き込んでいます

 

マジック跡が残ってしまい その部分は製品に使えないという リスクは生じるのですが

 

こればかりは勘では太刀打ちできないのです それほどに竹の年齢の見極めには厳密さが求められます

 

ただ竹の種類により異なるのですが 加齢マークなるものはあります

 

これもマジック記入を続けていて 気づけたことなのですが

 

孟宗竹においては 節垢(ふしあか)と呼ぶ 節周りの黒い汚れの程度により おおよその年齢を知ることができます

 

それでは美しく仕上がった左側の2本の竹齢はというと 真ん中の節垢がまばらな竹が5年竹 左の方は6・7年の竹です

 

さらに言えば この双方の内Rさんは6・7年竹を狙って伐っています

 

節垢が隙間なく筆で書かれたように濃い竹は 仕上がりに安定感があり

 

倉庫で保管するうちに さらに白さに磨きがかかるように感じています

 

では写真の右側の竹の竹齢はというと 古すぎて分かりません

 

新たに竹林で竹を伐らせていただくいく時 景観改善のため竹林内の最も古い竹を伐ります

 

今年このような竹を20本ほど油抜きをして 結果白竹に仕上がった竹は1本もありませんでした

 

ちなみに節垢は洗えば落ちますが 古い竹は既に節垢がはがれ落ちています

 

残念ながら竹林育成と伐竹について Rさんの耳に入ってくる情報は少なく断片的で 疑問を感じる内容すら普通に語られていました

 

8年目にして 古すぎる竹は竹林で立派に生きていてもシミが出る また新たな発見です

 

追記:竹に詳しい方は上の写真は、あぶり遅れの黒いシミではないかと思われる方もおられるかもしれません。もちろん初めはそう考え、試みに水抜きが終わる際を狙って油抜きをしてみたのですが、結果やはり白竹にはなりませんでした。青竹の時点でシミが出ている竹もありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大樹に見守られて

2017.8.20

 

青い青い夏の空の中 伐竹(ばっちく)の作業が続きます

 

秋の風が吹くまでに 毎年一度はくじけそうになります

 

初年度は蚊の猛威に泣きました

 

次年度は蚊に負けじと カッパとタオルでぐるぐる巻きの完全装備で挑み 2時間で目を回しました

 

3年目はどの資料を読んでみても 『伐竹期は10月・11月』と書いてあることを持ち出して逃げました

 

そしてこの年のあまりに悪かった結果に とうとう覚悟を決めて 以来8年は8月スタートを貫いています

 

思えば1年目 8月に伐った数本がたまたま美しく仕上がり (あれれ?)と思ったのが 事の始まりでした

 

竹に詳しい方からは どうしてこんな時期に伐るのかと たまに聞かれます

 

どうしてなのかは 解りません

 

それでも 大きな木が届けてくれるそよ風に救われながら ひた竹を伐ります

 

Under the clear blue sky, I’m working on cutting bamboo.

I tend to be discouraged every year before feeling fresh autumn breeze.

 

The first year I engaged in this job, I cry craven faced by a swarm of mosquitoes.

The following year, I was fully equipped with raincoat and towel for not giving way to mosquitoes,

but I could not hold up more than 2 hours.

The third year, I ran away quoting that “it would be in October or November” when bamboo should

be cut according to every documents I read.

With a terrible result of this year, I have decided to start cutting bamboo in August and keep in this way

for 8 years until now.

 

I remember that some of the bamboo which I cut in August at the first year have grown beautifully and this gave me the reason.

Some people who know bamboo well ask me why it should be cut in this season.

I don’t know why.

However I’m cutting and cutting with helpful breeze sent from some big trees.

 

(translated by c.n)

8月の仕事

2017.8.6

ふと気が付けば 明日はもう立秋です

 

今年の伐竹スタートは 7月23日とかつてない早いスタートでした

 

まずは古い枯れ竹の山を崩して 今年の竹置き場を作ります

 

 

本格的に竹伐に入る前に 整理伐採も済ませておけば 後々の作業効率がよくなります

 

この季節 整理伐採の済んだ林内を クロアゲハがつがいで悠然と飛ぶ姿は それはそれは美しいです

 

今年崩したのは 10年前に積んだ枯れ竹の山でしたが 下半分ほどは既に土に分解されていて とても楽でした

 

 

崩した枯れ竹の山にその土をかぶせておけば 数年で地面とほとんど変わらない高さまで分解されます

 

 

健全な竹林とは…?

2017.7.15

 

7月5日から6日にかけて 福岡県と大分県で発生した記録的豪雨により 被災されました皆様のご冥福をお祈り致します。

 

そして不安と悲しみの中 住宅の片付けをされている多くの方々に 心よりお見舞い申し上げます

 

社会の発展とともに 人々が自然への理解が薄れる中で 容赦なく畳み掛けてくる自然の猛威

 

今後さらに その計り知れない力が 勢いを増していく時  山や森を守る木々たちが

 

防災機能の限界値を超えて 私たち人間に 逆に脅威となって押し寄せてくることを 心配しています

 

もしそうなった時に

 

例えば崖崩れが起き そこに木が茂っていたから伐採する

 

例えば川が氾濫し そこに竹林があったから伐採する

 

防災に強い地域社会の構築を急ぐため 性急な決断が日本各地でなされるのではないか

 

そのような 一抹の不安がよぎります

 

その地域社会の 人の命を守り暮らしを潤す 健全な竹林の姿を考えずにはいられません

 

First of all, I feel so sorry for those who has been affected by record-breaking heavy rain in Kyushu region at the beginning of this month.

 

In the highly developed society where people don’t have depth of understanding for
the environment, the nature would cause often severe damage.

I’m afraid that when the nature would go on a rampage, the trees which usually save mountain
and forest would be a threat for us, by defying the boundaries of its disaster prevention
defense functions.

 

When it would happens,

I feel anxiety by thinking whether a rash judgment would be made to build strong community
against disaster though the country; cutting a thick bunch of trees after a landslide,
cutting bamboo near the flooded river…etc.

 

I can’t help thinking about healthy bamboo forest which could help people to live safely
and happily in their community.

(translated by c.n.)