虫の声

2017.10.9

鈴虫やコオロギの声が 耳にやさしく響く 秋の仕事帰り

 

カブで風を切るRさんに パシンッと 何かがくっついてきました

 

何だろう?

 

帰宅して ヘルメットを脱ぐと

 

 

 

・・・ よく捕まってたな

 

あっ ・・・目が合いました

 

秋の夕暮れツーリングが楽しかったのか とてもくつろいだ様子です

 

今年はアサギマダラや 竹林の中を優雅に飛ぶクロアゲハたちが

 

夏の最中に 心を癒してくれました

 

過酷な自然に生きる者たちの 心和ませる 不思議な力

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

光合成の力

2017.9.24

 

彼岸花やクズの赤紫色の花が野を彩り 雲がすっかり秋になった秋分の日

 

晴天日の15時ごろ 伐った竹からぽとぽとと滴が落ちていることに気づきました

 

手の甲に付けてなめてみるとやはり とんでもなく甘い

 

この竹の滴 決まって晴天の日の15時ごろ溢れて落ちて 甘いのです

 

竹は維管束植物ですから 根から吸い上げた水分や養分を運ぶ道管と 光合成で作った養分を運ぶ師管とがあります

 

(甘いってことは 笹の方から師管の中を落ちてきた養分ってことかな…)

 

光合成とは簡単に言うと 光エネルギーを使って水と二酸化炭素から炭酸化物(糖類)を合成し酸素を出す反応とその仕組みのこと

 

しかしこの甘さは シロップになりそうです

 

竹の生命力の源は 太陽光とこの光合成にあるのかも…

 

In the Autumnal Equinox Day,

when red-violet color of spider lilies or flowers of Pueraria montana paint the field

under the sky with autumnal clouds, I found some dews dropping from bamboo that I had cut.

It was around 3pm.

I catched it by back of my hands and tasted… it’s so sweet!

 

Dews are always dropping from bamboo, around 3pm in the sunny day.

As bamboo is a vascular plant, it has xylem which transports water and nutrients from root,

and phloem which transports nutrients generated by photosynthesis.

 

“As it is sweet, it may be some nutrients dropping down through the phloem…”

 

Photosynthesis means, in brief, a reaction and mechanism to synthesize carbohydrate

in generating oxygen, from water and CO2 using light energy.

 

Anyway, this sweetness would be nice to make syrup.

The source of bamboo’s vitality may be made from the sunlight and this photosynthesis.

 

(translated by c.n.)

 

 

 

 

 

問い続ける

2017.9.7

 

 

『今年は秋が少し早く来ましたね』 蒔絵職人Eさんの言う通り

 

8月30日から吹く気持ち良い風にふと辺りを見回すと 竹林の入り口にはヤブランの花の紫色

 

お月様も日ごとに輝きを増していくように見えます

 

会社の屋上では 今年伐った孟宗竹が白竹へと仕上がり始めています

 

8年目となる孟宗竹の油抜き 今年は新たな気付きがありました

 

上の写真は不鮮明で分かりづらいのですが 真ん中の3本を観察すると

 

右側の1本に細かな黒いシミが出てしまっています

 

左の2本はきれいな白竹色をしています 両者の違いは樹齢(竹齢?)なのですが

 

では竹の年齢はどこで見極めるのか

 

木のように太さと年齢は関係ありませんし 年輪もありません

 

実はRさんは 林内の竹全てにマジックで年齢を書き込んでいます

 

マジック跡が残ってしまい その部分は製品に使えないという リスクは生じるのですが

 

こればかりは勘では太刀打ちできないのです それほどに竹の年齢の見極めには厳密さが求められます

 

ただ竹の種類により異なるのですが 加齢マークなるものはあります

 

これもマジック記入を続けていて 気づけたことなのですが

 

孟宗竹においては 節垢(ふしあか)と呼ぶ 節周りの黒い汚れの程度により おおよその年齢を知ることができます

 

それでは美しく仕上がった左側の2本の竹齢はというと 真ん中の節垢がまばらな竹が5年竹 左の方は6・7年の竹です

 

さらに言えば この双方の内Rさんは6・7年竹を狙って伐っています

 

節垢が隙間なく筆で書かれたように濃い竹は 仕上がりに安定感があり

 

倉庫で保管するうちに さらに白さに磨きがかかるように感じています

 

では写真の右側の竹の竹齢はというと 古すぎて分かりません

 

新たに竹林で竹を伐らせていただくいく時 景観改善のため竹林内の最も古い竹を伐ります

 

今年このような竹を20本ほど油抜きをして 結果白竹に仕上がった竹は1本もありませんでした

 

ちなみに節垢は洗えば落ちますが 古い竹は既に節垢がはがれ落ちています

 

残念ながら竹林育成と伐竹について Rさんの耳に入ってくる情報は少なく断片的で 疑問を感じる内容すら普通に語られていました

 

8年目にして 古すぎる竹は竹林で立派に生きていてもシミが出る また新たな発見です

 

追記:竹に詳しい方は上の写真は、あぶり遅れの黒いシミではないかと思われる方もおられるかもしれません。もちろん初めはそう考え、試みに水抜きが終わる際を狙って油抜きをしてみたのですが、結果やはり白竹にはなりませんでした。青竹の時点でシミが出ている竹もありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大樹に見守られて

2017.8.20

 

青い青い夏の空の中 伐竹(ばっちく)の作業が続きます

 

秋の風が吹くまでに 毎年一度はくじけそうになります

 

初年度は蚊の猛威に泣きました

 

次年度は蚊に負けじと カッパとタオルでぐるぐる巻きの完全装備で挑み 2時間で目を回しました

 

3年目はどの資料を読んでみても 『伐竹期は10月・11月』と書いてあることを持ち出して逃げました

 

そしてこの年のあまりに悪かった結果に とうとう覚悟を決めて 以来8年は8月スタートを貫いています

 

思えば1年目 8月に伐った数本がたまたま美しく仕上がり (あれれ?)と思ったのが 事の始まりでした

 

竹に詳しい方からは どうしてこんな時期に伐るのかと たまに聞かれます

 

どうしてなのかは 解りません

 

それでも 大きな木が届けてくれるそよ風に救われながら ひた竹を伐ります

 

Under the clear blue sky, I’m working on cutting bamboo.

I tend to be discouraged every year before feeling fresh autumn breeze.

 

The first year I engaged in this job, I cry craven faced by a swarm of mosquitoes.

The following year, I was fully equipped with raincoat and towel for not giving way to mosquitoes,

but I could not hold up more than 2 hours.

The third year, I ran away quoting that “it would be in October or November” when bamboo should

be cut according to every documents I read.

With a terrible result of this year, I have decided to start cutting bamboo in August and keep in this way

for 8 years until now.

 

I remember that some of the bamboo which I cut in August at the first year have grown beautifully and this gave me the reason.

Some people who know bamboo well ask me why it should be cut in this season.

I don’t know why.

However I’m cutting and cutting with helpful breeze sent from some big trees.

 

(translated by c.n)

8月の仕事

2017.8.6

ふと気が付けば 明日はもう立秋です

 

今年の伐竹スタートは 7月23日とかつてない早いスタートでした

 

まずは古い枯れ竹の山を崩して 今年の竹置き場を作ります

 

 

本格的に竹伐に入る前に 整理伐採も済ませておけば 後々の作業効率がよくなります

 

この季節 整理伐採の済んだ林内を クロアゲハがつがいで悠然と飛ぶ姿は それはそれは美しいです

 

今年崩したのは 10年前に積んだ枯れ竹の山でしたが 下半分ほどは既に土に分解されていて とても楽でした

 

 

崩した枯れ竹の山にその土をかぶせておけば 数年で地面とほとんど変わらない高さまで分解されます

 

 

健全な竹林とは…?

2017.7.15

 

7月5日から6日にかけて 福岡県と大分県で発生した記録的豪雨により 被災されました皆様のご冥福をお祈り致します。

 

そして不安と悲しみの中 住宅の片付けをされている多くの方々に 心よりお見舞い申し上げます

 

社会の発展とともに 人々が自然への理解が薄れる中で 容赦なく畳み掛けてくる自然の猛威

 

今後さらに その計り知れない力が 勢いを増していく時  山や森を守る木々たちが

 

防災機能の限界値を超えて 私たち人間に 逆に脅威となって押し寄せてくることを 心配しています

 

もしそうなった時に

 

例えば崖崩れが起き そこに木が茂っていたから伐採する

 

例えば川が氾濫し そこに竹林があったから伐採する

 

防災に強い地域社会の構築を急ぐため 性急な決断が日本各地でなされるのではないか

 

そのような 一抹の不安がよぎります

 

その地域社会の 人の命を守り暮らしを潤す 健全な竹林の姿を考えずにはいられません

 

First of all, I feel so sorry for those who has been affected by record-breaking heavy rain in Kyushu region at the beginning of this month.

 

In the highly developed society where people don’t have depth of understanding for
the environment, the nature would cause often severe damage.

I’m afraid that when the nature would go on a rampage, the trees which usually save mountain
and forest would be a threat for us, by defying the boundaries of its disaster prevention
defense functions.

 

When it would happens,

I feel anxiety by thinking whether a rash judgment would be made to build strong community
against disaster though the country; cutting a thick bunch of trees after a landslide,
cutting bamboo near the flooded river…etc.

 

I can’t help thinking about healthy bamboo forest which could help people to live safely
and happily in their community.

(translated by c.n.)

 

 

質問:竹の生長

2017.7.1

 

お星さまみたいな花が咲いた会社の花壇に やさしい雨音が響きます

 

先日参加させていただいた 竹林整備ボランティア活動で 参加者の方よりこのような質問がありました

 

『竹は 1年に一節ずつ生長するのですか?』

 

 

口下手なRさんは少しドキッとします とりあえずまず

 

「あの…タケノコの時にすでに50~60個の節が詰まって出てきますから…竹は各節に成長帯がありますから 単純にもし1日に各節が1㎝伸びたら50~60㎝ 1日に伸びることになります」

 

「ちなみに以前1日にどのくらい伸びるのか測って見ましたら 99㎝という記録が取れたことがありました」

 

「真竹という種類の竹では 1日に121㎝伸びたという記録もあるそうです」

 

「以前 真竹林でタケノコが竹に生長して笹の葉を広げるまでの期間を観ていましたら 2か月と20日でした ここまで生長するとそれより後は太ることも伸びることもありません」

 

何度経験しても 人様に説明をするということは 竹を伐ることの数倍難しい

 

 

Flowers shaped like a star are in bloom in the flower bed in front of our office.

We can hear a gentle sounds of rain drops tapping into it.

 

I participated a volunteer activity to maintain bamboo forest the other day where

I had a question from one of participants;

Would bamboo grow by one knot per year?

 

I got upset with this question as I’m not good at speaking, but answered anyway.

 

“Well…bamboo sprout has already 50 to 60 knots…and bamboo has a growing point

with each knot. So if each knot grows by 1 cm per day, bamboo would grow simply 50 to 60 cm per day.”

 

“For your information, when I observed how long bamboo grows within a day, it has grown by 99 cm

per day.”

 

“Madake is said to have a record of 121 cm of growth within a day.”

 

“When I looked at the growth of Madake’s sprout in bamboo forest, it has needed 2 months and 20 days

to become adult bamboo with spreading leaves.

When it has grown in this way, it would not get thick or higher anymore.”

 

Even if I had this kind of experience many times, making explanations for someone is difficult

several times as much as cutting bamboo.

 

(translated by C.N.)

 

 

青葉の歌

2017.6.16

それにしても 梅雨を忘れそうな 澄み渡る風が吹いています

 

丁寧に植えられた田んぼの早苗も 気持ち良さそうに揺れています

 

Rさんは ふと最近気が付きました

 

入社3~4年になる若手の皆さんの表情が とてもいい表情になってきているのです

 

伸びをしていた頃のような力みがなくなり 自然な言葉が聞こえてくるようになりました

 

悩んでるな 考えてるな 自身の力で

 

ちょっと嬉しくなって 帰り道に口ずさんだ 青葉の歌

 

 

While we are in the middle of the rainy season,

a clear wind blows everyday which would make us forget about it.

 

Rice seedlings arrayed in the rice fields seem to enjoy swinging

in the delicious breeze.

 

I recently became aware that staffs who have joined us 3 or 4 years ago

show good expression on their face.

 

They are more relaxed than the first years when they have overstrained theirselves

and I hear natural words from their conversation.

 

They try to overcome problems and find what to do on their own.

 

Feeling happy by thinking in this way, I went back home in singing

a little song which I call a green leaves song.

 

(translated by C.N.)

 

 

 

 

勝負スイッチ

2017.5.29

 

真竹タケノコが 元気良く顔を出した頃に

 

和尚様から 「少し竹を伐ってもらえますか」とご連絡をいただき

 

下見へお伺いしました。

 

葉替わりを終えて 新緑期に入った竹林には 鶯の美声が響いています

 

竹林を見ながら 「これは1日では難しいかもしれません」 と言うと

 

「はい」 と和尚様

 

細かなご説明を聞きながら 和尚様と清々しい風景を見ていると

 

どうも何やらふつふつと やる気の意地が顔を出します

 

( 出来るかな… いやいや無理は禁物… でも…  )

 

意地と理性が押し問答中のRさんに 和尚様がやさしく言いました

 

「まあ 2日で終わらなければ 次の週も…」

 

その言葉を聞いた途端 カチッとRさんの心の中で 勝負スイッチが入りました

 

妙なところで スイッチが入る

 

When Madake bamboo’s sprout has come up to the surface,

Oshō sama (Buddhist priest) called me for cutting bamboo.

I visited the bamboo forest to take a look beforehand.

 

In a verdurous bamboo forest where new leaves replaced the old ones,

we could hear a beautiful chorus of bush warblers.

I said to the priest in looking at the bamboo forest “it might be hard to

finish in one day”.

“Yes”, said the priest.

 

However, when I heard his explanation in taking a look at refreshing scenery

with him, some sense of responsibility and motivation came up to me.

(Can I do it…? Too much work is harmful, but…)

 

While I was haggling over with a sense of responsibility and reason,

the priest talked to me genlty.

“If you could not finish working within 2 days, you have next week…”

When I heard this, a switch of “challenge” has turned on in my mind.

 

Switch is flipped on at a weird moment.

 

(translated by C.N.)

 

 

若葉の歌

2017.5.11

 

ぽとり ぽとりと落ちるしずくに 山の命が目を覚ます

 

光の音 雨の音 風の音 その美しい音色に誘われて歌う

 

淡竹の子らも 南天の若葉も

 

 

 

Song of green leaves

 

With a plop of water, life of the mountain wakes up.

 

Sound of light, rain and wind…prompted by their beautiful sounds,

 

baby Hatchiku (black bamboo) and fresh green leaves of Nanten (Nandina)

 

are singing.

 

(translated by c.n.)